
国語力って、わかるようなわからない単語ですね。2004年に文部科学省に文化審議会の国語分科会が「これからの時代に求められる国語力について」という答申をしています。
ちょっと古い資料ですが、国語力について記載がされてますので、まとめてみました。
これからの時代に求められる国語力について
1.国語の重要性
2.求められる国語力
3.国語力の目安
<おまけ>
国語力を身に付けるための国語教育の在り方
国語力を身に付けるための読書活動の在り方
そもそもなぜ、「国語力」についてまとめることになったのでしょうか?
当時の文部科学大臣から、文化審議会が
・国際化、情報化、価値観の多様化など環境が急速に変化している中、
・一人一人が物事を的確に判断できるようになるための基礎は、国語である。
なので、改めて国語の重要性を再確認して、
・これからの時代に求められる国語力とは何か?
・そのような国語力を身に付けるためにどうすればよいか?
を求められた。ということでした。
考えたり、分析したり、創造力を身に付けるにも国語が重要ってことです。
国語の重要性とは
国語によって得られるものがあります。
それは、これまでの人類が蓄積してきた「知識や知恵」。知識や知恵を獲得することで、思考や論理が深まる。創造性や判断力が養われる。
また、詩歌などをはじめとする文学を読むことで感性や情緒も養うことができる。
そして言葉や文字を通して、人間はコミュニケーションを成立させることができる。
さらに目まぐるしく変化する社会の中で、膨大な情報を適切に活用したり、処理・判断する能力も国語が基本となる。
要するに『すべての基本が国語』ってことですね。言い過ぎって感じがしないのは、こうやって文章を読んで考えるときも言葉を使ってるからでしょうね。
求められる国語力とは
審議会が定義した国語力は大きく二つ。
1.情報を処理・操作する能力と
2.それを支える知識や教養、価値観など
情報を処理・操作する能力は、『考える力』、『感じる力』、『創造する力』、『表す力』の四つの力で構成される。としています。
『考える力』
いわゆる論理的思考力。五感を通して入ってくる「非言語情報を言語化する能力」でもある。
『感じる力』
相手の気持ちや文学作品の内容・表現、自然や人間に関する事実などを感じ取ったり、感動できる力。情緒力です。
『想像する力』
経験していないことや現実には存在していないことなどを頭の中で自由にイメージを思い描くことのできる力。
『表す力』
考え、感じ、想像したことを表すために必要な表現力であり、具体的な発言や文章で展開していける能力です。
この4つの力が働くときの基盤をなすのが「国語の知識や教養、価値観」ということになります。
教養や価値観は、生涯にわたって形成されていくものでその人そのものといえるかもしれません。
国語の知識については、語彙力や文法力、文章の組み立て方など基本的なスキルですね。
私個人としては、『国語力=読解力+表現力』で、すべてのベースに『語彙力が必要』、というスタンスです。答申と大きくズレてなくてほっとしました。
国語力の目安
こういった国語力はひとそれぞれ、なのですが審議会では成人としての努力目標を「聞く」「話す」「読む」「書く」で定めています。
一応具体的には記載されていますが、なかなか難しい内容ですね。それぞれ簡単にまとめると
聞く力:
話している相手の気持ちを考えながら要旨を的確に把握し最後まで集中して聞いたうえで内容を理解できる。
話す力:
自分の考えを明確にして場面や目的に応じて、発生や発音態度などをコントロールして分かりやすく伝えることができる。
読む力:
現代文をはじめ古文や漢文でも、文章の内容に応じて的確に論理や気持ち・感情を読み取ることができる。
書く力:
伝統的な形式や必要な書式にのっとって、様々な情報を収集したうえで自分の考えや意見を正確に伝える論理的な文章を書くことができる。
ん~、できるだけわかりやすくまとめたつもりですが難しい。
私自身が国語力をもっと上げないとだめですね。
おまけ
答申は、ここから
国語力を身に付けるための国語教育の在り方 と
国語力を身に付けるための読書活動の在り方 に続いていきます。
国語教育の在り方では、「3歳まで」と「3歳~小学校高学年」、「13歳(中学生)以上」で分けています。
全てに共通するのは国語の知識の中の「語彙力」、「表す力」。幼少期には「感じる力」と「想像する力」、青年期に向けて「考える力」を伸ばしていこう!という提言となっています。
さらに国語力のすべてにかかわるものとして『読書』を定義し、おすすめしてます。
読書は、人類が獲得した文化である。←名言です。
この記事が少しでも皆さんに『役立つッ!』と言ってもらえるとうれしいです。
ほなね~