
ども、どこかのだれかの役に立ちたいブロガーです。
短い話で完結し、でも作品の中で時間は流れ続けている。どの巻を読み直しても面白くためになる。考えさせられる作品です。
原案・脚本は浦沢直樹さん・勝鹿北星さん・長崎尚志さん、3名のクレジット。作画は浦沢直樹さんです。
原作・脚本に関してはいろいろあったのかもしれませんが、そんなこと全く関係なく素晴らしいマンガです。
とにかく何事もあきらめない。MASTERキートン
■あきらめないその1:ユーリー・スコット教授
■あきらめないその2:平賀キートン太一
■あきらめないその3:二人の夢
今振り返っても「あきらめない人」がたくさん出てくる作品ですね。復讐をあきらめなかったり、探すのをあきらめなかったり、人間の可能性と時間がテーマの作品です。
あきらめないその1:
MASTERキートン自体は、全18巻プラスアルファの作品ですが、一番好きなエピソードは3巻に出てきます。
それは「屋根の下の巴里」という話。「巴里の屋根の下」という映画の題名をもじっております。
そこに登場するのが主人公キートンの恩師、ユーリー・スコット教授。
第二次大戦中、ドイツから空爆を受けても授業を止めず「学ぶことをあきらめない」教授のエピソードが出てきます。
「さあ、諸君、授業を始めよう。あと15分はある!」は名言ですね。
主人公のキートンは、雇われで講師として社会人向けに授業をしているのですが、その学校にユーリー先生が
来ていたことを知ります。
途中、キートンの名言も飛び出します。
「ではなぜ学び続けるのでしょう? それが人間の使命だからです。」
で、この回の最後のシーンで再びユーリー教授とキートンが会うのですが、何回読んでも涙ぐんでしまいます。
キートンの娘の名前の由来も熱いポイントですね。
あきらめないその2:
この作品で重要人物ながらほとんど出てこない人物がいます。それがキートンの奥さんで、娘の百合子の母。
映画のダイハードでは、マクレーンと奥さんは、少なくともはじめは仲良く、だんだんと疎遠になっていきました。こちらは、物語の初めから別居しています。
でも、キートンは奥さんに未練たらたら。というか、自分がふがいないばかりに・・・と自責の念で、気持ちは内にこもってしまっています。
基本的に私生活は優柔不断で、うじうじしていますが、ひとたび事件にかかわると超人的な活躍を見せます。まあ、それがいいところ。
で、最終話最後の最後に奥さんへの想いを言葉にします。
「この風景を君に見せたい。来て下さい。私はここにいます」
これも名言ですが、終始、奥さんをあきらめない男。キートンです。
あきらめないその3:
恩師ユーリー教授とキートンの夢が「ドナウ文明」を発見すること。
教授とキートンの基本的な想いは同じで、西欧に文明は本当になかったのか?文明が起こるときに非常に重要なのは大河の存在であり、ドナウ川は十分にその役目を果たすことができる。
ドナウ川流域に文明の痕跡を発見しようとしています。
この作品を通してのテーマでもあります。正直、マスターキートンを読み込んだ人は、「ドナウ川流域に文明、あるんじゃね?」と思っています。
まとめます。
全編通して「あきらめない想い」を感じることのできるマスターキートン。
名言も多数で、当時の情勢を知らないと理解できない表現もありますが、世界が大きく変わった現在、過去を読み解くという意味でも改めて読み直す価値がある作品です。
この記事が少しでも皆さんに『役立つッ!』と言ってもらえるとうれしいです。
ほなね~