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ゴールデンスランバー もやもやするのにスカッとする?

新潮社サイトから引用

ぱんだりやん

ども、どこかのだれかの役に立ちたいブロガーです。

ゴールデンスランバーは映画化もされているのでご存じの方も多いでしょうか。作者は伊坂幸太郎さん

読書のきっかけとして、「最近、話題に上がる作者の本を読んでみたい!」ということがありますね。

伊坂幸太郎さんもそんな作者のひとりでしょう。最初に読むべきおすすめ小説は『ゴールデンスランバー』ではないでしょうか?

伊坂さんの不思議なのに納得させられて、もやもやするのにスカッとする要素が詰まっています

もやもやするのにスカッとする不思議な小説

■もやもやポイント
■スカッとポイント
■魅力的な登場人物たち

もやもやするのにスカッとするなんてありえないですよね。でもこれがあるんです。

この読後感、共有したい!

もやもやポイント

ネタバレになっちゃいますが、終始、「黒幕」が分かりません。

あらすじは、ある日、首相暗殺の容疑者となった主人公が逃げまくるというものなのですが、読者が一番知りたいことが不明なままです。

主人公が理由もわからず追いかけられるのは仕方ないとしても、追いかけるほうもほんとにこれでいいのか?と感じながら追いかけ続けます。

それぞれ信念や立ち位置がしっかりしているので、登場人物の行動には納得できるのですが、作品そのものに「もや」がかかっている感じ

ちなみに「もやがかかる」の靄(もや)がもやもやの語源かと思ったら明確にそうだ!という記述が見つかりませんでした。意外。

実は、黒幕については、作品中で示唆されています。ご安心を!結局、もやもやは晴れませんが。

スカッとポイント

全体的にもやもやしているので、主人公が黒幕を倒し、ハッピーエンドでスカッとするという展開は「訪れません」。これもネタバレですね・・・

一番のスカッとポイントは、小説の最後の場面で、気づいてくれ~!と全読者が念じることが達成される瞬間でしょうか。めちゃくちゃスカッとして、作品のもやもやは、吹き飛びます。

それ以外にも作品全体に小さなスカッとポイントがちりばめられていて、伊坂さんお得意の「伏線回収」が積み重なっていきます。そのたびに「スカッと」したり、「ニヤッと」したりするわけです。

ちょっと怖くなるのは、正体のわからない黒幕がどこから主人公に仕掛けていたのか?が分からないところなんですが、この「仕掛け」の中で主人公を助けるどんでん返しも出てきます。どこまでが仕組まれていて、どこからが主人公の運なのか?この不思議な感覚もこの小説ならでは。

え、結局、これって主人公にとって得になったやんっ!てことが多数発生します。

魅力的な登場人物たち

伊坂作品では、常識的でない登場人物が多数描かれます。ゴールデンスランバーでは、なんといってもキルオアイドルの凛香でしょうか。

特にキルオは謎だらけ。連続刺殺事件の犯人なんですが、なぜか主人公を助けてくれます。ちょっと怖そうなキャラクターなんですが、ほんまに殺人鬼なのか?とも感じます。

そもそも本物のキルオなのかもわからない・・・。

主人公が過去に助けたことのある元アイドルの凛香。彼女も面白いキャラです。ゲーム好きなのもちょっとした伏線に。彼女のおかげで主人公は、目的を達成できたとも言えますしね。

まあ、そういう意味ではだれが欠けても主人公は逃げ切れなかったわけで。出てくる登場人物がみんなキーマンだったりもします。

まとめます。

ゴールデンスランバーは、黒幕が分からず、また黒幕を倒す物語でもないのでもやもやします。

が、主人公が圧倒的に不利な中でたくさんの魅力的な協力者に助けられ逃げ切る物語です。

読後感は、スカッとします。

いちおう、先述しましたが黒幕はこの人、という感じで20年後!に出てくるんです。

が、主人公を追いかける力が『単なる権力』というよりは、『不可解な力』を有していて、現実的じゃないんですよね。

そう考えると主人公は、『わけもわからない何か』からよく逃げきれたな~と思います。

この記事が少しでも皆さんに『役立つッ!』と言ってもらえるとうれしいです。

ほなね~