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ジョジョの奇妙な冒険 長いマンガを読みたい人必見!

集英社サイトから引用

ぱんだりやん

ども、どこかのだれかの役に立ちたいブロガーです。

長い小説のおすすめは北方謙三さんの「大水滸伝全51巻」でしたが、長いマンガのおすすめは、荒木飛呂彦さんの「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」と悩みましたが。やっぱりジョジョでしょうかね。作者の荒木飛呂彦さんをもってしても「何を書いてもジョジョになってしまう」というくらい、深い物語です。

■第一部:ファントムブラッド:全5巻
■第二部:戦闘潮流:全8巻
■第三部:スターダストクルセイダース:全17巻
■第四部:ダイヤモンドは砕けない:全18巻
■第五部:黄金の風:全17巻
■第六部:ストーンオーシャン:全17巻
■第七部:スティールボールラン:全24巻
■第八部:ジョジョリオン:全27巻

現在、131巻の大作です。好きなキャラクターとエピソードを中心に紹介していきます。

ジョジョの奇妙な冒険 長いマンガを読みたい人必見!

■第一部みどころ:衝撃を受けた展開
■第二部みどころ:シリーズ最強の敵
■第三部みどころ:花京院推し
■第四部みどころ:2回のラスボス戦
■第五部みどころ:覚悟とは、何か
■第六部みどころ:新たな生命体
■第七部みどころ:ラスボスが成長
■第八部みどころ:主人公が主役じゃない


あくまでも個人の「みどころ」です。そうそう!と共感してもらえるとうれしいですッ!

第一部みどころ:衝撃を受けた展開

「ジョジョの奇妙な冒険」は、ここからスタートするわけですが、物語の序盤は、淡々としたストーリーが展開されます。純文学のような趣です。

主人公は、イギリスの貴族の息子。ジョナサン・ジョースター。名前と名字の最初を取って愛称は「ジョジョ」。ライバルは主人公と同じくらいシリーズに影響を与えるディオ・ブランドー

この二人の成長を描いていきます。盛り上がりはないけど、読み込んでしまう。そんなマンガでした。

「石仮面」というミステリーが軸にあるのですが、これといって物語に絡むことなく進んでいくので、今だったら早期に打ち切りになっていたかもしれません。

物語が盛り上がりを見せるのは、ディオが『人間をやめて』から。ジョジョとディオの初戦ですね。ジョジョは頭脳と根性と体力で人間を超越したディオに勝利します。

で、実はディオは倒されてなくって、「波紋」という特殊能力が出てきます。呼吸によって人間の可能性を開放するといった感じで、今でいう鬼滅の刃の呼吸に通じるものですね。

第一部は、衝撃的な展開が待っています。すべてがハッピーエンドに向かって読者もよかったよかった、となるのですが、最後、主人公であるジョナサン・ジョースターが亡くなってしまいます。

まさかの主人公が死亡。しかし、これが主人公が交代していくというシリーズの方向性を決定づけました。

第一部は擬音も魅力です。一番好きな擬音は「パパウパウパウ」です。

第二部みどころ:シリーズ最強の敵

第二部の主人公は、全シリーズの中でも一番型破りです。で、二人目にして「ジョースター家の例外」が出てくるのですが、このジョセフ・ジョースターが超魅力的なんです。

第一部のジョナサンは、完璧な優等生ヒーローだったのですが、ジョセフは、優等生ではないですが完璧なヒーローです。スイッチが入るといちいち、行動が熱くなります。

主人公も型破りですが、ラスボスも型破りです。目的が太陽を克服して究極生物になることを目的にしているのですが、普通のマンガって、主人公が阻止してなんとかしのぎきる展開ですよね。

ラスボスのカーズは、究極生物になっちゃいます。倒す方法がなんと『無い』。

そして、かの有名なラストにつながっていきます。アメトーークのジョジョの奇妙な芸人でも取り上げられていました。後にも先にもいまだに生きているラスボスはカーズだけです。最強の敵ですよね。最強ですが、結果的に負けてはいます。

大好きなんですが、読者的に残念なのはシーザー・ツェペリです。めちゃくちゃかっこいいし強くなるのですが、結局、柱の一族という敵キャラを誰も倒せないんです。

話の流れがスムーズでなんの違和感も感じないのですが、柱の一族は全員、ジョジョが倒しちゃいます。

第三部みどころ:花京院推し

第三部は、ジャンプらしく次々と現れる敵を順番に倒していって、ラスボスにたどり着きます。主人公の空条承太郎は、主人公の中でも抜群の人気です。

なんとラスボスは、第一部と同じディオ・ブランドー。ブランドーは取れてしまって「DIO」が最後の敵となります。

第三部からは、「波紋」ではなく、「スタンド」という超能力が登場します。この「スタンド」が秀逸ですね。少年マンガでは、敵キャラがインフレする傾向があるのですが、ジョジョでは、登場人物が自分の能力であるスタンドを最大限に活用して戦います。一見、使い道がなさそうな能力をいかに活用するか?単純に強さを測れない良さがあります。

たくさんのキャラクターが出てくる中で、イチオシは花京院典明。一番最初の敵キャラであり、一番最初に仲間になります。

ディオのいるエジプトのカイロに到着し、主人公チーム全員でディオと戦うのですが、花京院は自分自身の能力を最大限に発揮し、戦います。

結果、負けてしまうのですが、そこからが胸熱です。自分自身が負けた理由を考察し、ディオのスタンド能力に気づきます。さらにその事実を伝えるために最後の力を振り絞ります

スタンドが登場したことで、とんでもない能力が出てくるのですが、第三部以降のラスボスは、基本的にどう使っても「無敵」の能力を持っています。

そこをいかに攻略するかがポイントですが、花京院は攻略の糸口を仲間に伝えて散っていく。自己犠牲キャラが個人的には好きなのかもしれません。

第四部みどころ:2回のラスボス戦

ジョジョシリーズの魅力はバトルの面白さなのですが、「頭脳戦」もあれば「圧倒的な力の差」もある、「なるほど」と思うこともあれば、「いやいや、こんなことせえへんやろ」と突っ込むこともあります。

なんといっても主人公 東方仗助の能力が「ものを直す」という超チートな能力

第四部は杜王町というところが舞台なのですが、小さな街の奇妙な出来事が紹介されていきます。大きな流れとしては、街に潜んだ殺人鬼を見つけて追い詰めていきますが、このラスボスが本当に強い。

なんせ、一番の目的が「静かに暮らしたい」。めちゃくちゃ自己中心的で、自分の欲を満たすために殺人を繰り返すのですが、その自己中心的なところがばれないように静かに暮らしています。

ラスボス、吉良 吉影とは2回戦うのですが、両バトルとも何度読み返しても手に汗握る秀逸なバトルです。

両バトルとも「成長」がキーワードなのですが、マンガの中では「普通」のキャラクターである「広瀬 康一」と「川尻 早人」がこの経験を経て大きく成長し、ボスを倒すことにつながります。

ジョジョのアニメは原作に忠実で有名です。マンガも何度も読み直しましたが、アニメの吉良吉影とのバトルも何度見ても楽しめます。どちらも主人公の東方仗助が最初から戦うわけではないんですが、めちゃいいタイミングで登場します。さすが主人公。

第五部みどころ:覚悟とは、何か

第四部以上にチートな能力を持った主人公 ジョルノ・ジョバーナ。主人公の能力が読者の理解を超えてくるのが第五部ですかね。

ここから週刊ジャンプ読者も二極化し、とことん好きな人と、「ジョジョ、よーわからん」人に分かれていった気がします。

でも人気が高いパートでもあります。個人的に私も一番好きなパートですね。

ジョジョでは名言がたくさん出てきます。特にこの第五部は名言の宝庫。『覚悟』という言葉の入っているものが好きですね。

覚悟って、日常生活でなかなか使わないですよね。くじ引き引く時くらい?「覚悟はいいですか~?」ってな感じ。本来の「覚悟」はかなり重たい印象ですね。死ぬ覚悟のように死ぬのが前提のように。

でも、第五部の登場人物は「死ぬ前提で覚悟」しますが、死ぬつもりなんて毛頭ありません。そこにはいつも希望が内包されている気がします。

ブチャラティ「覚悟はいいか?オレはできてる」

ミスタ「突っ切るしかねえッ!真の「覚悟」はここからだッ!」

ジョジョ「覚悟」とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」

敵キャラも覚悟という言葉を使いますが、自分自身の能力をあきらめない、「覚悟」をどのキャラの言葉からも感じます。

個人的には、ミスタの『真の「覚悟」はここからだッ!』が覚悟の向こう側という感じで好きです。

第六部みどころ:新たな生命体

正直、一番内容が難しいのが第六部です。主人公は初の女性キャラである空条徐倫(ジョリーン)。第三部主人公 空条承太郎の娘です。

難しいポイントはいくつもあるのですが、まずスタンドの能力が幅広くなったということ。我々がなんとなく「スタンドってこんなもんよね」と定義していることから大きく外れていきます。ここを受け入れないと理解ができません。

例えば、アンダー・ワールドというスタンドは、「地面が記憶している過去の出来事を再現できる能力」

言葉で読んでもよくわかりませんよね。最初読んだときは、理解できず、なんじゃこりゃ~!と叫んでしまいそうになりました。

また、「人間以外の生物」がたくさん出てくるのも第六部の特徴です。人間以外の生物で重要なキャラは「F・F(フー・ファイターズ)」。スタンドのような微生物の集合体が、意識と知性を持ったような存在です。これもよくわかりませんよね。

六部で一番好きなキャラは、このF・Fですね。主人公の徐倫に助けられたことで、彼女を守るために行動するようになるのですが、その過程でラスボスの正体を知ることとなります。それを徐倫に伝えて、退場となります。

第三部の花京院と通じるところがあり、好きなんですよね。花京院のスタンドとF・Fの本体のデザインも似ている気がします。

さらに新たな生命体ということでいうと、物語のカギを握るのが「緑の赤ん坊」。この生物が生まれたことで六部の核心へと進んでいくのですが、これはですね。何度も読んでいただかないとわかりません

特に14の言葉というのが出てくるのですが、そのうち4個は「カブト虫」で同じ言葉です。謎です。

第七部みどころ:ラスボスが成長

このパートから世界が一新します。第一部から六部までは同じ世界の中でしたが、第七部は新しい世界となります。目的もラスボスを倒す、ということよりも登場人物それぞれに目的が違うということも物語の深みにつながっています。

主人公は、二人。ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリ。この二人がアメリカ大陸横断レースに参加し、それぞれの目的を達成することを目指しています。

第七部はまったく新しい話になっているため、これまでのジョジョを読んできて「自分自身でジョジョとはかくあるべし!」と定義していると見事に裏切られます。

最たるポイントはラスボスを倒しても物語は終わらない。ということでしょうか。ラスボスはアメリカ大統領 ファニー・ヴァレンタイン

この大統領、作中で絵柄が大きく変わっていくことでも有名です。作者が当初は、主要登場人物の一人にすぎなかったものを途中からラスボスに設定し直したのでは?と感じるぐらいの変化です。

それでもストーリーが秀逸すぎて正直、デザインが変わることはどうでもよく感じます。

第七部のラスボスも今までのラスボスと変わらず、自分の信念に基づいてぶれることなく行動しております。その求める目的が「他者の犠牲の上に成り立つ」ということがやはり「悪」になるんだろうなと感じます。

また、第七部では「波紋」と「スタンド」が両方出てきます。波紋については高度な技術による結果生まれるものとしており、回転や無限エネルギーを形にしたものとなっています。

個人的にヴァレンタイン大統領の「どちらのナプキンを取るか」という信条は嫌いではありません。何が正しいではなく、行動したものが正しいのだという結果論は確かにそうだと思わせます。

そのため、大統領は自分自身の目的も、「自分自身が達成する必要はない」と考え、目的をほかのキャラに継承させるというのも驚きでした。

主人公が二人いてともに旅をする。そんなロードムービー的な物語が第七部です。特にジャイロは大好きなキャラクターですね。ジャイロの生き様を体感する物語でもあります。

第八部みどころ:主人公が主役じゃない

第八部は、第四部と同じ「杜王町」が舞台となります。主人公は東方定助。これも第四部の主人公と同じ「じょうすけ」と発音する名前です。(第四部は仗助)

また、第二部の最後に考えるのを止めたカーズのような「岩人間」が登場し、この岩人間と「ロカカカ」という植物の実を争うというのが物語のベースとなっています。

主人公は記憶を失っており、主人公が何者なのか?ということが分からないこともあって、定助というよりも彼にかかわる人々の物語となっています。

大きな流れや目的がよくわからないまま話が進んでいくので、あれ?誰が味方で、誰が敵?この人がラスボスやろか?と読者は悩み続けて読み進めることとなります。

最終的には、大団円となり、物語の冒頭で述べられた「呪いを解く物語」ということも完結します。

第六部以降、スタンドによる戦いは、複雑になり読者的には矛盾も感じます。それでも絶望的な状況を精神力で克服するスタンスは変わりません。

恐ろしすぎる能力が多発する第六部の中で、個人的に好きなエピソードは「カツアゲロード」ですね。カツアゲ
ロードを克服する定助の行動も面白いですし、そこからつながるエピソードで、第八部の「呪い」の一つが明かされます。第七部との関連を示すエピソードですしね。

定助の「勝ったのは、オレです!」は名言です。

ジョジョではあまり嫌いなキャラクターというのは出てきません。むかつくキャラクターも作中では、主人公が成敗してくれます。すっきりするんですよね。

第四部の人気キャラ、岸部露伴も最初は嫌味なキャラでしたがどんどん魅力的になりましたしね。唯一の例外が、第八部に登場する東方常秀です。

先ほどのカツアゲロードのエピソードで常秀は、スタンドを使えるようになります。ここから活躍し憎めないキャラになるのかとおもいきや、最後まで変わらず、活躍しません。まあ、最終回は良いやつ認定できるかもですが。

まとめます。

長いマンガを読みたい人におススメするのはジョジョの奇妙な冒険シリーズ。個人的にはやはり第一部から順番に読んでほしいですが、どこから読んでも問題はありません。第三部、四部、五部が読みやすいですかね。

このブログでは「国語力」についても記事を書いていますが、ジョジョは「読解力」をめちゃくちゃ必要とするマンガです。何度も読むことで作者の荒木飛呂彦さんが言いたいことを理解し、自分なりに解釈できるように
なると思います。

この記事が少しでも皆さんに『役立つッ!』と言ってもらえるとうれしいです。

ほなね~